外壁塗装はDIYできる?プロに頼むべきリスクと費用対効果の比較
12月 20, 2025

「外壁塗装を自分でやって費用を抑えたい」そうお考えの方もいらっしゃるかと思います。
ホームセンターやネット通販で塗料・道具が手に入りやすくなり、DIYに挑戦しやすい環境が整ってきました。
一方で、外壁塗装は“塗るだけ”の作業ではなく、建物を雨風や紫外線から守るための工事でもあります。やり方を間違えると、見た目だけでなく防水性や耐久性にも影響が出て、結果的にやり直し費用が大きくなることもあります。
この記事では、大阪市で塗装工事を行う専門店の立場から、DIYで起こりやすい危険(高所作業・飛散トラブル)、仕上がりと耐久性の差、失敗時のリカバリー費用までを整理し、プロに依頼した場合の費用対効果と比較します。
ご自宅の状況に合わせて、どこまでDIYをし、どこからプロに任せるかの判断する材料としてお役立ていただけますと幸いでございます。
ホームセンターで道具は揃うが…外壁塗装のDIYが難しい理由
外壁塗装に必要な資材は、カインズ、コーナン、DCMなどのホームセンターやオンラインで揃えることができます。塗料(下塗り・上塗り)、刷毛・ローラー、養生テープなど一式が手に入るため、「材料費だけなら安く済みそう」と感じるのも自然な流れかと思います。
ただ、住まい本体の外壁塗装は、
①高所作業の安全確保
②下地処理と塗膜づくり(厚み・乾燥・工程管理)がセットで求められます。
ここが噛み合わないと、塗膜の早期剥がれ・膨れ・色ムラ・防水性低下に繋がり、短期間で再塗装が必要になるケースもあります。
大阪市内は隣家との距離が近い物件も多く、塗料飛散や足場計画も含めて難易度が上がりやすい点も押さえておきたいポイントです。
高所作業の危険性(足場なしでの転落事故リスク)
外壁塗装で最も大きいリスクは、高所作業です。
2階部分以上の塗装は、作業姿勢が不安定になりやすく、転落事故の危険が一気に高まります。
プロの現場では、足場を設置し、手すり・作業床・落下防止、必要に応じてメッシュシートなどを組み合わせて安全と周囲への配慮を確保します。
足場は「安全のため」だけでなく、「ムラなく塗る」「塗料の飛散を抑える」「作業効率を上げる」ためにも必要な設備です。
一方でDIYの場合、足場費用を抑えるために、はしご・脚立・長柄ローラーで対応しようとする方が多いのですが、ここに大きな危険が伴います。
- はしご・脚立は足場と違い、体勢が崩れた瞬間に支えがなくなります。
- 片手で塗料や道具を持つと、バランスを崩しやすくなります。
- 敷地が狭い・地面が傾いている・段差がある場合、固定が甘くなり事故に繋がりやすくなります。
- 低い高さでも、転落の仕方によっては骨折などの大きな怪我に繋がる可能性があります。
もし怪我が起きると、治療費や休業などで、結果的に業者に依頼するより負担が大きくなる場合もあります。外壁塗装は“節約のためのDIY”よりも、“安全と耐久のための計画”が優先になりやすい工事です。
素人の塗りとプロの「塗膜づくり」の違い(耐久年数の差)
外壁塗装の耐久性は、塗料のグレードだけで決まるわけではありません。
実際には「下地処理」「下塗り」「中塗り」「上塗り」「乾燥時間」「塗布量(塗膜の厚み)」が揃って、はじめて塗料の性能が出ます。
一般的な外壁塗装の基本工程は次の流れになります。
- 高圧洗浄:汚れ・カビ・藻・古い塗膜の弱った部分を落とし、密着しやすい面をつくります。
- 下地処理:ひび割れ補修、劣化したシーリング補修、サビ落としなどを行い、塗装前の状態を整えます。
- 下塗り:下地と上塗り塗料の密着を高め、吸い込みムラを抑えます。
- 中塗り・上塗り:仕上げ塗料を重ね、メーカーが想定する塗膜の厚みを確保します。
とくに大事なのが「塗膜の厚み」です。塗料は、規定の塗布量と乾燥時間を守ることで、耐候性・防水性を発揮しやすくなります。
DIYでは、次のような理由で性能が出にくいことがあります。
- 下地処理が難しい:ひび割れの見落とし、シーリングの劣化判断、カビ・藻の根の処理不足などが起こりやすくなります。
- 塗りムラ・薄塗りになりやすい:塗布量が足りない、重ね塗りのタイミングが早い、乾燥が不十分などで早期劣化の原因になります。
- 工程が省略されやすい:下塗りを簡略化したり、回数を減らしたりすると、密着不良や色ムラに繋がります。
結果として、本来長く持つはずの塗膜が早く傷み、剥がれ・膨れ・色あせが出て、再塗装のサイクルが短くなることもあります。
塗膜が弱ると外壁材が直接ダメージを受けやすくなり、雨漏りや下地劣化に発展するリスクも出てきます。
塗装専門店での施工とDIYの違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | プロの塗装 | DIYの塗装 |
|---|---|---|
| 安全対策 | 足場・安全管理・周囲への飛散対策まで含めて計画 | はしご・脚立中心になりやすく、転落リスクが高くなりがち |
| 工程管理 | 洗浄・下地処理・3回塗り・乾燥時間などを現場条件に合わせて実施 | 省略や判断の難しさで、密着不良・ムラ・早期劣化が起こりやすい |
| 塗膜の厚み | 塗布量を守り、均一な膜厚を確保しやすい | 薄塗り・塗り残し・ムラが出やすい |
| 仕上がり | 均一で見栄えが整いやすい | 色ムラ・垂れ・凹凸が出ることも |
| 耐久性 | 塗料性能を引き出しやすく、長期維持に繋がりやすい | 短期間で劣化し、再塗装が早まる場合も |
| 保証 | 施工保証やアフター対応が付くことが多い | 原則として自己負担(失敗時の補修も含む) |
部分的な塗装ならDIYも検討しやすい
外壁や屋根の“本体”は難易度が高い一方で、低所で完結する部分的な塗装はDIYと相性が良いケースもあります。ポイントは「失敗しても建物の防水や構造に直結しにくい場所」に限定することです。
塀(ブロック)やウッドデッキの塗装はDIY入門に向きやすい
塀やウッドデッキは高所作業になりにくく、作業範囲も限定的です。
塗りムラが出ても致命的になりにくいため、DIYの練習として選ばれやすい箇所です。
DIYで塗装する際のポイント
- 安全の確保:換気・保護具(手袋・マスク)を整え、無理な姿勢で作業しないようにします。
- 素材に合った塗料選び:ブロック用、木部保護用など、用途に合う塗料を選びます。
- 下地処理:汚れ・カビの除去、旧塗膜のケレンなどを丁寧に行うほど仕上がりが安定します。
- 厚塗りしない:一度に厚く塗らず、乾燥を挟んで重ねるほうが失敗しにくいです。
外壁・屋根・雨漏りが絡む箇所はプロに任せたい領域
外壁・屋根・雨漏りが疑われる箇所は、見た目以上に「水の入り方」「下地の状態」が重要です。
表面だけを塗って一時的に見えなくなっても、内部で劣化が進むと補修範囲が広がりやすくなります。
| 箇所 | DIYだと難しくなりやすい点 | プロ施工で対応できる点 |
|---|---|---|
| 外壁 | 高所作業、下地の見落とし、シーリング判断、塗膜不足による早期劣化 | 劣化診断、適切な下地処理、塗料選定、工程管理、飛散対策 |
| 屋根 | 転落リスクが高い、屋根材の破損、雨仕舞いの難しさ | 安全管理のもとで施工、屋根材別の処置、雨漏りリスクを抑える施工 |
| 雨漏り箇所 | 原因特定が難しく、表面的な補修で悪化することがある | 侵入経路の診断、必要な補修範囲の特定、再発を抑える処置 |
DIYで失敗して逆に高くつくケース(リカバリー費用)
DIYは材料費だけを見ると安く見えますが、失敗すると「やり直し」「除去」「補修」「近隣対応」など追加コストが発生しやすいのが現実です。とくに次のパターンは、結果的に負担が大きくなりやすいです。
塗料の選択ミスや下地処理不足による再塗装
密着不良で剥がれ・膨れが出た場合、上から塗り重ねるだけでは直らず、弱い塗膜の除去や下地からのやり直しが必要になることがあります。DIYでかかった費用がそのまま無駄になり、二重の出費になりやすい点は注意が必要です。
塗料飛散による清掃・賠償(近隣トラブル)
大阪市内の住宅密集地では、隣家や車両との距離が近いケースもあります。
養生が不十分なまま作業すると、塗料が飛散して清掃・修復費が発生する可能性があります。
金銭負担だけでなく、近隣関係のストレスに繋がることもあるため、ここは軽視できません。
怪我や体調不良による医療費・休業
転落や、塗料成分による体調不良が起きると、医療費だけでなく仕事への影響も出てきます。外壁塗装は“作業が終わればOK”ではなく、万一が起きた時の影響が大きい作業でもあります。
塗膜寿命が短くなり、長期的なメンテナンスコストが増える
塗膜が早く劣化すると、塗り替えのサイクルが短くなります。
さらに、塗膜が弱った状態で雨水の影響を受けると、外壁材や下地の補修が必要になり、塗装以上に費用がかかる工事へ発展する場合もあります。
| 失敗内容 | 発生しやすい費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 剥がれ・膨れ | 塗膜除去、下地処理、再塗装 | 範囲が広いほど負担が増えやすいです |
| カビ・藻の再発 | 洗浄、防カビ処理、再塗装 | 根が残ると再発しやすいです |
| 塗料飛散 | 清掃、修復、賠償 | 車両や建材に付着すると除去が難しい場合もあります |
| 転落・怪我 | 医療費、休業による影響 | 生活への影響が長引くこともあります |
| 雨漏り悪化 | 調査、下地補修、防水、再塗装 | 原因箇所の特定が重要になります |
外壁や屋根など住まい本体に関わる部分は、安全面と仕上がりの耐久性を考えると、プロに任せた方が安心につながりやすいです。
一方で、塀やウッドデッキなど地面から手が届く範囲の塗装は、DIYでも取り組みやすく、住まいに手を入れる楽しさも味わえます。
無理のない範囲でDIYを楽しみながら、難しい部分は専門店に任せる
――そんな“いいとこ取り”の進め方をリキれんはおすすめいたします。