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屋根の「カバー工法」とは?塗装できない屋根の費用とメリット

1月 13, 2026

株式会社リキれん

屋根の劣化が気になって相談したところ、「塗装では難しいかもしれません」と言われたことはありませんか。
屋根材の種類や傷み方によっては、塗装をしても塗膜が密着しづらく、すぐに剥がれてしまうケースがあります。
たとえば、ノンアスベストスレートの一部(パミールなど)は、屋根材そのものが層状に剥がれやすく、塗装でのメンテナンスが推奨されない代表例として知られています。

こちらでは、塗装が向きにくい屋根の状態についてご説明をさせていただきます。
そのうえで、解決策として選ばれることの多い「カバー工法(重ね張り)」の特徴や、費用相場・工期の目安、葺き替え(全交換)との違いもあわせてお伝えさせて頂きます。
皆様の屋根に合った修理方法を検討する際の参考として、知っていただけますと幸いでございます。

塗装不可と判断される屋根の状態(パミール等)

屋根のメンテナンスとして塗装工事は一般的ですが、すべての屋根に適しているわけではありません。屋根材の状態によっては、塗装をしてもすぐに剥がれてしまったり、かえって劣化が進みやすくなったりすることがあります。
このような場合は、塗装よりもカバー工法や葺き替えといった改修工事を検討する必要があります。

屋根材自体が層状剥離してしまう場合の対処法

特に注意したいのが、屋根材が水分を含み、ミルフィーユのように層になって剥がれてくる「層状剥離(そうじょうはくり)」です。
この劣化が目立つ屋根材のひとつとして、ノンアスベストスレートの「パミール」が挙げられます。

パミールとは?塗装ができない理由

パミールは、アスベストの使用が禁止された2000年代初頭に代替品として製造されたノンアスベストスレート屋根材の一つです。
ただ、製造技術が十分に確立されていなかった時期の製品でもあり、条件によっては深刻な劣化が起こりやすいことがわかっています。
その代表的な症状が、屋根材の表面が何層にも剥がれてくる層状剥離です。

層状剥離が進んでいる状態で塗装をしても、塗膜が屋根材の脆くなった層ごと剥がれてしまうことがあり、効果が長続きしにくい傾向があります。
さらに、塗料によって水分が抜けにくくなり、内部の劣化が進んでしまう可能性も考えられます。
そのため、層状剥離が確認された場合は、塗装ではなく、カバー工法や葺き替えによる改修を検討することが一般的です。

その他の塗装が難しい屋根の状態

層状剥離以外でも、屋根の状態によっては塗装が向かないと判断される場合があります。
以下のような症状が見られる場合は、点検していただくことをおすすめします。

劣化症状塗装が難しい理由推奨される対処法
広範囲にわたるひび割れや欠損塗料だけでは構造的な補修が難しく、下地の損傷が進んでいる可能性があるため。部分的な補修、カバー工法、葺き替え
コケやカビが深く根付いている高圧洗浄で除去しきれない場合や、除去しても再発しやすい場合があるため。屋根材が水分を吸収しやすくなっている可能性があります。屋根材の交換、カバー工法
アスファルトシングルの石粒(グラニュー)の著しい剥がれ防水性や耐久性の低下が進んでおり、塗装での根本改善が難しいため。カバー工法、葺き替え
屋根材の浮きや反りが全体的に見られる下地の劣化や固定力の低下が考えられ、塗装だけでは改善が難しいため。雨漏りリスクも高まりやすいです。カバー工法、葺き替え
屋根材の寿命が近づいている塗装しても短期間で別の不具合が出やすく、費用対効果が合いにくくなる場合があるため。カバー工法、葺き替え

これらは見た目の問題にとどまらず、屋根の防水性や耐久性が下がっているサインでもあります。
雨漏りが発生している場合は、下地や構造材への影響も考えられるため、早めの確認が安心につながります。

カバー工法(重ね張り)のメリット

屋根の修理やリフォームで、カバー工法(重ね張り)は選ばれることが多い工法のひとつです。
費用と工期のバランスが取りやすく、暮らしへの影響を抑えながら屋根をリフレッシュしやすい点が特徴です。

古い屋根を撤去しないから廃材処分費が安く済む

カバー工法は、既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねて施工します。
そのため、撤去費用や廃材処分費用を抑えやすいことが大きなメリットです。

特に、アスベスト含有の可能性があるスレート屋根などは、撤去時に専門的な作業や処分が必要となり、費用が高くなりやすい傾向があります。
カバー工法で撤去を行わない場合、こうしたコストを回避できる可能性があります。

また、廃材が少ないことは環境負荷の軽減にもつながります。
さらに、撤去工程がない分、工期が短くなりやすく、住まいへの影響を抑えながら工事を進めやすい点も利点です。

屋根が二重になることで断熱性・遮音性が向上する

カバー工法では、既存屋根の上に新しい屋根が加わるため、屋根が二重構造になります。
この構造が、室内環境の快適性を高めることにつながります。

断熱性の向上

二重構造になることで、既存屋根と新しい屋根の間に空気層ができ、外気の影響を受けにくくなる場合があります。
夏は熱が伝わりにくく、冬は暖気が逃げにくくなることで、冷暖房効率の改善が期待できることもあります。

遮音性の向上

屋根が二重になることで、雨音や外部の騒音が室内へ伝わりにくくなることがあります。
特に雨が強い日や、交通量の多い環境では、体感的に違いが出るケースもあります。

金属屋根材など、単体だと音が響きやすい素材を使用する場合でも、二重構造になることで音が和らぐことが期待できます。

葺き替え(全交換)とカバー工法の費用・工期比較

屋根のリフォームでは、「葺き替え(全交換)」と「カバー工法(重ね張り)」のどちらが合うか迷われることも多いかと思います。
費用や工期、下地の状態、今後の暮らし方によって向き不向きが変わるため、特徴を整理して選ぶことが大切です。

ここでは、両工法の費用相場と工事期間の目安を比較し、それぞれの考え方についてお伝えさせて頂きます。

費用と工期の比較表

一般的な住宅(30坪程度)における目安は以下の通りです。

項目葺き替え(全交換)カバー工法(重ね張り)
費用相場(30坪)約95万円~240万円約60万円~150万円
1㎡あたりの費用相場約15,000円~35,000円(屋根材による)約8,000円~15,000円
工期目安約7日~20日約3日~14日
主な特徴既存屋根材を撤去し、下地から新しくする。屋根材の選択肢が広い。既存屋根材の上に重ねる。廃材が少なく、工期が短い。

葺き替え工事の費用内訳と相場

葺き替えは、既存の屋根材をすべて撤去し、下地から新しい屋根材へ交換する工事です。
工程が増える分、カバー工法より費用が高くなりやすい傾向があります。

費用が高くなる主な理由

  • 既存屋根材の撤去・処分費用:撤去作業と廃材処分が発生します。
    2004年以前のスレート屋根などはアスベスト含有の可能性があり、処分費が追加される場合があります。
  • 下地の補修・交換費用:撤去後に下地の腐食や劣化が見つかった場合、補修・交換が必要となります。
  • 人件費・足場代:工期が長くなりやすく、足場の設置費用も含めて負担が増える傾向があります。
  • 屋根材本体費用:選ぶ屋根材によって費用が変動します。

カバー工法の費用内訳と相場

カバー工法は既存屋根を撤去しないため、撤去・処分の費用を抑えやすく、全体のコストが比較的まとまりやすい工法です。

費用が抑えられる主な理由

  • 撤去・処分費用が不要:廃材がほとんど出ないため、処分費を抑えやすいです。
  • 工期が短い:解体工程がない分、工事日数が少なくなりやすいです。
  • 屋根材本体費用:重ね張りに適した軽量屋根材(ガルバリウム鋼板など)が用いられることが多く、その材料費がかかります。

葺き替え工事の工期と変動要因

葺き替えの工期は一般的に7日~20日程度が目安です。
屋根面積、形状、下地の傷み、天候などによって前後することがあります。

  • 屋根の面積と形状:複雑な形状ほど時間がかかります。
  • 下地の劣化状況:補修が必要な場合は工期が延びます。
  • 天候:雨や強風で作業が止まることがあります。
  • 資材搬入環境:現場条件で作業効率が変わる場合があります。

カバー工法の工期と変動要因

カバー工法は撤去作業がないため、一般的に3日~14日程度が目安です。
こちらも屋根の面積・形状、天候、既存屋根の状態によって変動します。

  • 屋根の面積と形状:大きい・複雑だと長くなりやすいです。
  • 天候:雨天時は中断する場合があります。
  • 既存屋根の状態:下地処理に時間がかかるケースがあります。

どちらの工法を選ぶべきか

葺き替えとカバー工法は、向いている条件が異なります。

葺き替え工事が適しているケース

  • 下地が著しく劣化している場合:雨漏りや野地板の腐食など、下地から直す必要がある場合です。
  • 屋根材を大きく変更したい場合:屋根材の種類を根本から変えたい場合です。
  • 耐震性向上のために軽量化したい場合:重い屋根材から軽量屋根材へ変更したい場合です。
  • アスベスト含有屋根材を完全に撤去したい場合:将来リスクを整理したい場合は葺き替えが選ばれます。

カバー工法が適しているケース

  • 既存屋根がスレートや金属屋根で、下地の劣化が軽度な場合:下地が健全であれば選択しやすいです。
  • 費用や工期を抑えたい場合:撤去・処分が少ないため負担を抑えやすいです。
  • 断熱性や遮音性を高めたい場合:二重構造のメリットが期待できます。

どちらを選ぶ場合でも、屋根の状態と目的に合っているかが大切です。
まずは現地調査で状況を確認し、皆様のご希望やご予算に合わせて、無理のない方法を検討していただけますと幸いです。

著者情報

著者名:谷 一也

株式会社リキれんの谷と申します。
弊社は、大切なご自宅を長持ちさせる「長持ち塗装」を最も大切にしています。
価格の安さ・高さではなく、地域の気候や建物の素材に合わせて、最適な塗料と施工方法をプロの職人としてご提案し、1回の塗装でしっかり家を守ることを目指します。
全国基準の提案と施工管理を徹底し、地元大阪の皆様に愛される、景観も美しく長持ちする塗装工事をお届けしていきます。